ありがとう(Thank you for everything)

ご無沙汰してしまってすみません。

ロンドンでは、
強い日射しが差したかと思ったら
黒い雲が風にのって流れて来て
突然シャワーを降らせたり…

まさに
「English weather」と呼ぶのにふさわしい日々が続いています。

晴れたり、曇ったり、とつぜんの雨に襲われたり…そう
まるで人生のような。

1ヶ月近くもブログを更新していなかったので
心配してメールをくださった方、
ありがとうございました。

先月手術を受けた後、
このごろではもうリハビリをしている
と聞いていた
よくなりかけていたはずの伯父が危篤だとのとつぜんの連絡。

会いたい、会わなくちゃいけないと
思うのに

すぐ翌週には
ある雑誌の校了、
どう考えてもスケジュールの変更などお願いできそうにない
インタビューの仕事、そしてその後には
すでに何件もの場所に撮影のアポイントをいれてあり、
こちらもスケジュールを変更するのは難しいという仕事が
入っていて、

どうやったら、いつなら日本に帰ることができるのか
パソコンの画面に向かって
いちばん早く日本にいくことのできるチケットを
探しながら、
キーボードを打っている自分の指は
確かに動いているのに
その先につながっているはずの腕は
どこかの宙に浮いてしまって
自分のからだとはつながっていないような
感覚でした。

日本の空港の税関では
小さな手提げひとつしかもっていないわたしを見て
係官が
「イギリスから帰ってきて、荷物はそれだけですか」と
いぶかしそうに聞きました。

伯父には、
日本にはたまたま仕事で来たからということにして
3日間、4回、病院に会いに行きました。

「今度来るときはM・・・と一緒に来るから。
そのときは元気になっていてよ」
というと
目をあけて、手を握り返してくれました。

ほんとうによくなると、信じていたのです。

会ってみて、
勝手に
「きっと大丈夫」と
無防備に信じていたのです。

だから、
往きの飛行機の中では
1ページも読めなかった仕事の資料を
帰りの飛行機の中ではほんの数ページだけれど
目で追うことができたのです。

なのに、わたしがロンドンに戻った翌日、
容態が急変したとの連絡がありました。

また会えると思っていたから
言わなかったけれど、
どうしてちゃんと今までのお礼を
言わなかったのだろう。

「おいちゃん、
今までほんとうにいろいろ
いろいろ全部、ありがとう。
天国では
病院で食べたがっていた
アイスクリームや、
おいしいものを
たくさん食べてください」

追伸:ブログを読んでくださっている皆さんには
ちょっと重いかもしれない、
プライベートなブログポストになってしまって
すみません。

Thank you for your kind understanding.

次からはまた
楽しい(ちょっとおもしろい?)
イギリスのいろいろを
お届けしたいと思います。

コメント

  1. hammo より:

    おじさまのご冥福をお祈りいたします。

    しばらく更新がないのでどうされているのかな、と思っていました。月並みな言葉しかでませんが、大変でしたね。

    同じ海外暮らしものとしてこういう状況は人事ではないです。最近とくに日々遠く離れた家族への感謝の気持ちを忘れずに表現するようにしたいと思うようになりました。

    Mamiさんのおじさまへの愛情と感謝の気持ちは、病院で手をとられたときにしっかり届いたと思いますよ。

  2. mami より:

    hammoさん、あたたかいコメントありがとうございます。

    ほんとうに、感謝の気持ちが伯父に届いてくれていれば…と願うばかりです。

  3. kyou より:

    伯父さまはまみさんが空を飛んで会いにきてくれて本当に本当に嬉しかったでしょうね。
    握った手の気持ちは体中でハグしていたのだと思います。

  4. mami より:

    kyouさま、コメントありがとうございます。

    せめて最後に会えたことはよかったと思います。握ってくれた手のぬくもりを忘れずにいたいと思います。
    やさしいメッセージをありがとうございました。。。

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