SAD

SAD

SADとは
Seasonal Affective Disorderの意味(日本では
社会不安障害:Social Anxiety Disorderという
症状のことをSADと呼ぶことが
広く知られているようですが、
イギリスではSADといえば、Seasonal Affective Disorderを
思い浮かべる人が多いと思います)。

9月〜4月の間に、
約50万人の人がかかるといわれている
季節性うつ病がそれです。

これには、冬になって
日照時間が極端に短くなることが
関係するといわれています。

わたしがこの症状に気づいたのは、今年の冬。
ただ、思い起こせば、
イギリスに来た最初の冬から、
すこしずつ、すでにこの兆候は
あったような気がします。
当時は、今以上に英語ができなかったうえに、
学校の課題で出されていたエッセイ(レポート)が
まったく書き始められず、
すべては自分の英語力の無さゆえ…と、
学校に行くバスの中で「どうしてこんなにも
英語ができないんだろう。わたしは何をしに
イギリスにやってきたのか。イギリスまで来て、
全然英語も上達しなくて、いったい何をしているのだろう」と
涙をこぼしたこともしばしば。

毎晩、ベッドの中で考え込んで眠れなくなって
英語ができないことに始まって、すべては自分の
努力が足りないせいだ…と、自分を責めて、
しまいには、不覚にも、
自分とそう年齢の変わらないチューター(学校の担任)の
前でも涙をこぼしたりして…。

その後も、
冬になると、やっぱり、何かしら気分が沈んで
朝、起きられなかったり、
仕事が思うように進まなかったり…。

で、この冬、
周りのイギリス人で
やはり、冬になると毎年調子を崩す…という人たちから
SADのことを聞き、
「そうだったか」と納得がいった次第。
もともと、夏や、暑いところ(国)が
大好きなわたしにとっては、
イギリスの暗くて長い冬は
やっぱり、なかなか厳しい環境なのだな〜と、今更ながら
冬の落ち込みの原因を知ったのでした(気づくのが遅すぎ?!)。

この症状への対処法としては
いろいろなアドバイスがあるようで、

1.日光と同じ光の強さ(1万ルクス)の光を
放射する特別なライトを買って、毎日一定時間それにあたる。
2.冬の間は、イギリスを離れ、
太陽のある南国などへ旅をする。
3.食生活に気をつける。
4.気がすすまなくても、毎日必ず適度な
エクササイズをする。
5.たくさんのKissesとCuddlesをしてもらう。

などなど…

わたし的には、2番目の対処法が
もっとも効果があるような気がするのですが、
そうそう簡単に実践できる方法でも
なさそうなので、
とりあえずは、3〜5あたりの対処法で
なんとか乗り切れれば…と思っていたのですが…
いや、なかなか手強いですSADさん(というか、
イギリスの冬)。。。

3月に入り、水仙やクロッカス、桜も咲いて、
春らしくなった…と思ったら、
またずいぶんと冷え込みが激しくなったここ数日のロンドン。
記事に載せる写真を撮りに行きたい、と
思っても、暗くて、景色が寒いイメージになってしまうため、
それもままならず…というわけで
まだ、ちょっぴりSADをひきずっているような状態。

。。。とはいえ、明日3月25日からは、
サマータイムが始まります。
これからは、どんどん日も長くなって、
そしてあの、美しいイギリスの夏が
やってくるのです。

それを楽しみに、
去り行く冬を惜しむことにします(そんな
余裕があるのか? というツッコミも自分でいれつつ…)。

*日本から観光でいらっしゃる皆さま、
イギリスの冬は暗いですが、
それはそれで、景色としては、
詩的情趣にあふれ
美しいものです。
だから、決して、冬のイギリスが
単にmiserableというわけではありませんので、
ご安心を(ただ、長期の滞在には、
ちょっとした辛抱と、寛容と、底抜けの明るさが
必要かな…と思うだけです、はい。。)

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コメント

  1. Kazu より:

    いろいろありますが、イギリスの冬、好きなんです。みんな笑わなくなって、骨まで冷えるような日もあるけれど、でも、そのぶん人の温かさが見えるような事もあったり。。。しませんか?
    6つ目の対処法は、少し飾ってみた花。真美さんの好きなあの花が,長くにわたってきっと元気づけてくれますから。

  2. mami より:

    Kazuさん、いつもコメントをありがとうございます。Kazuさんのおっしゃる通り、寒いときこそ、人のあたたかさが身にしみますよね(Kazuさんのやさしいコメントにも本当に心があたためられました)。
    わたしが幾たびも読み返している、星野道夫さんという写真家の書いた本の中に、彼と結婚するために日本からアラスカへやってきた奥さんに対して、彼の友人が言った言葉があります。
    「寒いことが、人の気持ちを暖めるんだ。離れていることが、人と人とを近づけるんだ」
    。。。そう、寒さを知っている人は、ほかの人に対してとてもあたたかい…。その寒さがいかに厳しいかを知っているから。
    わたしも、そういう人になれたら…と思います。
    それに、春はもうすぐ…ですものね。
    Kazuさんも、お体にきをつけて、花いっぱい! の春をお迎えくださいね。

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