ロンドンのDairy Art Centreにて
奈良美智さんの展覧会
‘Yoshitomo Nara:Greetings from a Place in My Heart’が
10月3日より開催されています。
(展覧会が始まった翌日に見に行ったのに
ブログに書くのがこんなに遅くなってしまった。汗)
奈良さんというと思い浮かぶ、
ポップなイメージの女の子の絵画作品はもちろんのこと、
ブロンズで作られた少女の頭部、
そして1984年から現在に至るまでのドローイングなどが展示された
今回の個展。
UKでの奈良さんの展覧会としては、
過去最大の規模だそうです。
実はわたし、
2001年に横浜美術館で開催された
「奈良美智展 I DON’T MIND, IF YOU FORGET ME.」を
見に行ったのですが、
奈良さんの作品を生で見るのは
それ以来、13年ぶりでした。
指の痕がまざまざと残る彫刻には
奈良さんの「悲しみ」?「怒り」?「祈り」?——
なぜだろう、
切羽詰まったような感情がこもっているような気がしました。
ティーカップの中に涙を流す子どもたち(犬?)の頭部が
積み重なっている
‘Fountain of Life’という作品は
目をそらすことを許さないような
静かに、でも強く訴えてくるものがありました。
封筒をはじめ
さまざまな紙に描かれたドローイングは
奈良さんの絵の変化も
垣間見ることができます。
ロンドンの地下鉄の切符に描かれた絵もあったりして、
ひとつひとつ
細かく見ていると、
何時間でもこの場所にいてしまいそうでした。
わたしが展示作品の中で特に好きだったのは、
新作だという’No means NO’。
——自分かと思っちゃいました。
でも、もしかしたら
この少女は奈良さん自身なのかもしれないな、とも
感じました。
奈良さんが描くのは少女が多いけれど、
それは少女の姿をした
奈良さんご自身ではないのかな…今回の展覧会では
なぜかそんな考えが浮かびました。
会場のDairy Art Centreは
2013年4月にオープンしたばかりの
新しいアート・センターとのことで、
わたしは今回が初めての訪問でした。
アートギャラリーにしては
ちょっと不思議な’Dairy’という名前は
ここが元はExpress Dairiesという名前の
乳業会社の建物だったことから来ているそうです。
ロンドンのキングス・クロス駅や
大英図書館から歩いて5分ほどの場所ですが
周りはとても静かなエリアです。
12月7日まで開催しているので
ぜひまた何度か
出かけてみたいと思っています。
*Yoshitomo Nara:Greetings from a Place in My Heart
場所:Dairy Art Centre
住所:7a Wakefield St., Bloomsbury London WC1N 1PG
ウエブサイト:http://dairyartcentre.org.uk/
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