ロンドン五輪を描いた画家ニコラス・ガーランド氏の展覧会(Drawing the Games: London 2012 and Nicholas Garland)

イギリス在住のジャーナリスト、小林恭子さんが書かれた
ロンドン五輪専属画家ニコラス・ガーランド氏の
インタビュー記事を拝読して、
ロンドン博物館(ミュージアム・オブ・ロンドン)で
開催されていた展覧会を見に行ってきました。

ニコラス・ガーランド氏は、
長年『デイリー・テレグラフ』という新聞の
風刺画家として活躍された方。

ロンドン市長のボリス・ジョンソン氏から
直々に使命されて
ロンドン五輪の専属画家となったそうで、
オリンピック開催中は
日々、会場に足を運んで、競技だけでなく、
観衆や、ボランティアなど、
オリンピックの様々なシーンをスケッチし、また、写真に納めたそうです。

さて、展覧会場でニコラスさんの作品を見ていると
2012年に開催された
そしてわたし自身も会場に足を運んだ
ロンドン・オリンピックの興奮がよみがえってくるようでした。

彼がとらえていたのは、競技する選手たちはもちろんのこと、
警備にあたっていた警官と一緒に記念撮影する観客や
ハイタッチをするボランティアと観客など、
まさにわたしが目撃した「ロンドン・オリンピック」のシーンと
重なるものがたくさんありました。

そう、あのオリンピックは、
選手たちもすばらしかったのですが、
競技場の外にいる、観客やボランティア、大会に関わる人たち
すべてがフレンドリーで、ニコニコしていて、
開催前までの、
オリンピック批判やしらけた雰囲気が吹き飛んでしまったかのような
不思議な高揚感にあふれた時間だったのです。

ニコラスさんの描いた一枚一枚を眺めていると
そのときのことが
人々の歓声とともに
体中によみがえるような気がしました。

そして、こんな風に絵や版画で、オリンピックを記録しているって
素晴らしいことだな、と思いました。

レニ・リーフェンシュタールの『オリンピア』とか
市川崑監督の『東京オリンピック』とか、
オリンピックを映画で記録(これらは記録映画というよりは、
芸術作品映画と呼ばれるのかもしれませんが)
したものがあるのは知っていましたが、
今回のような、絵画でオリンピックを記録したものというのは
あまり聞いたことがありません。
(他の国でもあるのかどうかご存知の方がいらしたら
教えてください。)

今回のロンドン五輪についても、
多分、記録映像は色々残されているのでしょうが(当然、テレビ番組は
そのまま記録として残る訳ですし)、
こうやって、画家が、絵画として描き出すオリンピックを残すというのも
素晴らしいことだな、と思いました。

2020年の東京オリンピックでも、
ぜひどなたかがその様子をこういう形で記録に残してくれたら
素敵なのではないかな〜。
でも、その場合、日本だったら
どのアーティストの方に「五輪画家」になってもらうのが
いいのでしょうね。

さて、ニコラスさんの展覧会は
残念ながら9月28日で終了してしまいましたが、
その作品をまとめた本
Drawing the Games: A Story of London 2012 Commissioned by the Mayor of London
が出版されていますので、
ご興味のある方は
ぜひこちらをご覧になってみてください。

*日々の仕事、近況、撮影した写真などを
facebook「マクギネス真美」ページに
掲載していますので、
よろしければそちらもご覧くださいね。

*メールでのメッセージ、
取材、撮影、翻訳等、
お仕事のご依頼はこちらからお願いします。

タイトルとURLをコピーしました