現在発行されている『ユーロ・ニュース 3/4月号』の表紙に
わたしが撮影した
ロンドン、セント・パンクラス駅の写真を掲載していただいています。
毎回、この雑誌の表紙は、
わたしが参加させていただいている
「加藤節雄写真クラブ」の会員が撮影を担当しているのです。
そして、
今回はわたしがその大役を仰せつかったというわけです。
テーマは「ロンドンのランドマーク」だったのですが、
できれば、少し目新しい場所、
自分らしい視点で…
と思いながら撮影に臨んだーーのですが、
これが難しかった。
仕事柄、普段は自分がカメラマンさんに
「こういうイメージで撮ってください」とか、
「見開きでドーンとインパクトのあるもの。
横位置で、上の方は見出しが入りやすいように
すっきりとした背景で撮ってください」
なーんて、偉そうにお願いしているのですが、
自分が撮るとなると
簡単にはいかないんです、わかっていても…。
まず最初、テーマを考えたときに浮かんだのが、
ランドマークとしてはまだ新しい存在である、
セント・パンクラス駅。
ここは、比較的自分が通いやすい場所にあるので、
何度も撮影ができる(つまり、再撮の必要があっても
行きやすい)という
理由もあったのですが、
普段から何度も行っている分、
自分にとって
最近気に入っているランドマークのひとつ、
というイメージでもありました。
ただ、雑誌などでよく見る赤いレンガの建物を望遠で撮った
「いかにも」の写真は
芸がないかな〜、なんて
恐れ多くも、ちょっと(かなり)勘違いして(?)
まずは
駅の中にある詩人ジョン・ベッチェマン(John Betjeman)の銅像と
駅舎の屋根を入れた写真を撮ってみました。
(上の写真がその一例ですが、
もちろん撮影したのは50カット以上!)
加藤さんに見ていただくと、
1、この写真では、
ロンドンのどこかがすぐにはわからない→ランドマークという
テーマにふさわしくない。
2、銅像は、前号でお友だちのYさんが「エロスの像」と呼ばれる
ピカデリー・サーカスにある銅像を
とても素晴らしいアングルで撮影したものが採用されているので
似たような対象物は避けた方がよい。
3、詩人ジョン・ベッチェマンを知る人は
あまりいないし、この銅像がセント・パンクラス駅に
あることを知っている人は少ない→インパクトに欠ける。
等々の理由により、
セント・パンクラス駅ならば、やはり
駅舎を外から見たレンガの建物を撮るべきだろう、という
アドバイスをいただきました。
数日後、あらためて駅の建物を
色々な角度、構図で撮ってみました。
思い切って時計台の部分だけ撮ってみたり、
ロンドンらしく、ブラックキャブ(黒タクシー)を
画面に映り込ませるようにして撮ってみたり…。
でも、なかなか思うようなイメージになりません。
(↑っていうか、この時点でだんだん自分でも
何が表紙としてインパクトのある写真か
迷ってしまっていた感じが…。)
そうこうしている間に
たまたまロンドン・アイの近くを通る機会があって
真ん中に観覧車があり、両脇に木が並んでいるという
構図が「グラフィカルでいいかな〜」などと思い、
iPhoneで(そのときはカメラを持っていなかったので)写真を撮り、
加藤さんに相談してみました。
「空がグレイで春らしくないし、一眼レフのカメラでは
撮っていないので、いずれにしても
青空の日に再撮に行くのですが、
テーマ、構図とかはいかがでしょう?」と。
でも、加藤さんのアドバイスとしては
せっかくなら
やはりセント・パンクラスの駅で
青空を背景に
レンガの建物を
どこか一部分にクローズアップして
撮ってみては、というものでした。
。。。というわけで、
何度かの撮影を重ね、
ようやく、師匠からもGoがでて、
編集部の方からもOKをいただいたのが
この写真でした。
雑誌にとって表紙がどれほど大切かが
骨身にしみてわかっている者としては、
自分の撮影した写真が雑誌の表紙を飾るなどということは
ちょっと信じがたいほどの経験です。
実際に掲載誌を手にしたときには
うれしいのだけれど、
それ以上になんだか不思議な気分がしました。
「家族や友だちに配ったらいいよ」と
掲載誌をたくさんわけていただきました。
まだ手元に何部かあるので、もし
近々お目にかかる方で
雑誌を見たいという方は
お声がけくださいませ。
また、この雑誌は、以下(↓)のアドレスにて
ウエブ上でもご覧いただくことができます。
*ユーロ・ニュース:
http://issuu.com/accessideas/docs/euronews131_1402_p16-p01_ebook/16?e=1229827/3941243
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掲載していますので、
よろしければそちらもご覧くださいね。
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