ロンドンの二階建てバスは
どんな観光ガイドブックにも載っているほど
有名です。
中でも「ルートマスター」と呼ばれる
昔ながらのデザインのバスは
1950年代後半から60年代に生産されたもので、
車両の後ろにも昇降口があり、
車掌さんが乗っていて、
ちょっとした観光アトラクションのよう。
今年はそのルートマスターが
運行を始めてから60周年という記念の年です。
実はこのタイプのバス、
安全性や、排出ガス規制等の問題があるとして、
2005年の12月ですべての路線で廃止されたのですが、
ロンドン名物であるルートマスターの復活を望む声は多く、
「ヘリテージ・ルートマスター・サービス(Heritage Routemaster services)」として
2路線が特別運行されていました。
わたしがロンドンに住み始めてすぐの頃は、
まだルートマスター廃止前で、
乗るチャンスも頻繁にありました。
乗降口に立つ車掌さんに「ハロー」と言って、
たいていは二階へと階段をのぼって…。
二階の天井部分は低くて、皆、中腰になりながら
座席につく…という光景もいつものこと。
信号でバスが止まったら、
バス停でなくても、人が乗ったりおりたり…。
そんな人気のバスを復活させようと
ボリス・ジョンソン市長が指揮をとり、
2012年に、イギリスの建築家、
トーマス・ヘザウィック氏率いる
ヘザウィック・スタジオがデザインした
新型ルート・マスターが登場しました。
登場する前には、コストが高過ぎる、などの理由で
反対の声も多かったものの、
乗った人たちからの評判はかなり良かったようでした。
(新型バス登場直後の乗車レポートは『朝日新聞デジタル』に
掲載されたこちらの記事からどうぞ。)
その後、この新型ルートマスターは
24、11、9、390、148、10というルートのバスに導入されていて、
その数がどんどん増えています。
(ロンドン交通局によれば、2016年までに600台以上の
新型ルートマスターが運行する予定だとか。)
2012年以降に初めてロンドンに来た方にとっては
「当たり前」のものとして
受け入れられているようですが、
ときどき、トラファルガー・スクエアの交差点で、
偶然にも旧型と新型のルートマスターが
隣り合わせに信号待ちをしているのを見かけると、
ロンドンバスのたどった歴史を目の当たりにしている! という感じで
ワクワクしてしまいます(まぁ、そんなことを考えているのは
わたしくらいかもしれませんが…)。
皆さんも、ロンドンにいらしたらぜひ、
新型、旧型のルートマスター、乗り比べてみてくださいね。
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