ビッグ・イシュー(The Big Issue)

The Big Issue(ビッグ・イシュー)’という雑誌、
日本でも販売されているので、ご存知の方も
いらっしゃるかもしれませんね。

この雑誌は、1991年にイギリスで創刊されました。

雑誌を販売する仕事を通じて、ホームレスの人々が収入を得て、
自立するための手助けを目的として始められた事業です。

つまり、ホームレスの人たちに
お金(寄付金)を直接渡して生活を支えるというのではなく、
仕事の機会をつくりだし、
そこからそれぞれが自活していけるようになることを
応援しているのです。

雑誌1冊の値段は2.5ポンドですが、
ベンダーと呼ばれる販売員の人たちは、
1.25ポンド払って、それを自分で仕入れなければなりません。
つまり、1冊売れるごとに1.25ポンドの収入になるというわけです。

雑誌は48ページで、
写真やデザインを含め、
有名人のインタビューや、ニュース、映画や本のレビューなど、
内容は一般の雑誌にひけをとりません。

インタビューには、『シャーロック』で大人気の
ベネディクト・カンバーバッチなども登場し、
そうしたセレブリティが表紙のときには
売れ行きもいいとか。

販売員の人たちは’The Big Issue’というロゴのついた
赤いベストを着ているので、
ロンドンの街中でもすぐに目につきます。

わたし自身がこの雑誌を定期的に買うようになったのは
ほんのこの数年。
いつも行くスーパーの前にいる男性から
買い始めてからです。

といっても、実は最初から雑誌を毎週買っていたわけではありません。
それどころか、スーパーに入るとき、
彼とあまり目があわないようにして
雑誌を買うことはありませんでした。

今思うとかなり恥ずかしいのですが、
2ポンド(数年前までは2ポンドでした)払うというのが
ちょっとはばかられていたんです。

というのも、
スーパーでは、なるべく特売品を買うようにして、
20ペンス、30ペンスを節約すべく買い物するのに、
この薄い雑誌に2ポンドも払うなんて…と、
けちくさい考えをしていたんですね。

でも、スーパーでの買い物と
‘The Big Issue’を買うのは別のこと。

それに気づいたのは、
家族や友人がいつも当然のように
街で’The Big Issue’を買っているのを
何度も見たからなんです。

誤解のないようにいえば、
イギリスに住んでいる人みんなが
チャリティに興味があるわけでもないし、
また、チャリティ活動に積極的な人といえども、
いつでもどこでもなんにでも寄付をするわけではありません。

ただ、一方で、
「今、お金がないんだよ〜」なんて言って、
カフェで一番安いサンドイッチと紅茶をオーダーする人(友人ですが)が
そのあと道端で’The Big Issue’をすすんで買ったり、
募金箱に小銭を入れたりするのが
あたりまえの光景として見られるのもこの国。

そしてわたしは、
周りの人々のそういう様子に学び、
習うようになったというわけです。

わたしに雑誌を販売してくれる彼は、
いつも’God bless you’と言ってくれます。

というか、「ハロー」と言っても、
「元気?」と聞いても、「今日は寒いね、あったかくしてね」と言っても、
「よい週末を!」と言っても
かえってくるのは’God bless you’の言葉。

でも、特に話しをしなくても
そうやってお互いに挨拶を交わすだけでもいいんですよね。

今週はたまたま彼とは出会えなかったので
雑誌を買うことはできなかったのですが、
また来週、
どんな表紙、特集の’The Big Issue’を
読むことができるか、
楽しみです。

今度日本に帰省したときには
日本版の「ビッグ・イシュー」も読んでみたいと思っています。

さて、皆さんは、
イギリス版、あるいは日本版の「ビッグ・イシュー」
ご覧になったことがあるでしょうか?

*日々の仕事、近況、撮影した写真などを
facebook「マクギネス真美」ページに
掲載していますので、
よろしければそちらもご覧くださいね。

*コメント大歓迎です。
また、メールでのメッセージ、
取材、撮影、翻訳、通訳等、
お仕事のご依頼はこちらからお願いします。

コメント

  1. Hiro より:

    Hiroです。
    私の地元でもたまに売ってるの見かけます。
    読んだことはあります。
    その価格からは考えられないゲストや内容だと知ってます。
    でも買ったことはありません。
    理由は、、、文字にするのは、、、難しいです^^;

  2. Mami より:

    Hiroさん、コメントありがとうございます。

    買わない理由…どうしてでしょう? 
    でも、もちろん買わなくてはいけない、という訳では
    ないですものね。

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